宇田幸矢卓球選手とボブソンは、昨年12月にスポンサー契約をいたしました。(詳しくはボブソンオフィシャルサイトへ)
国際大会やドイツのプロチームでご活躍されている宇田選手ですが、今回帰国のタイミングで来社頂けるとのことで、インタビューを敢行!
直近におこなわれたシンガポールスマッシュ2023やファッションへのこだわり、そしてパリ五輪への想いについて聞かせていただきました。
ーー本日はよろしくお願いします。
宇田:こちらこそよろしくお願いします。
ーーまずは直近についての質問からさせてください。
つい先日おこなわれた、シンガポールスマッシュ2023では男子ダブルス3位となりました。
手応えはどうでしたか?
宇田:手応えについてはあったんですけど、やっぱりまだ差があるなというか。細かい技術の精度が競った場面で出ていて、最後の1点がまだ遠いなと実感した大会でした。
ーー競り合った時に出るのは精神面より技術面?
宇田:技術的な面が大きいですが、それがあっての駆け引きの上手さっていうのも中国選手は僕らより上回ってました。そこが一番の違いだったかもしれません。
やっぱりどの技術においてもトップというか、完成されてるなという感じで。戦術幅も広いですし、競ったときの安定性の高さがあります。その場その場で出来ることをしっかり実行してきて、こちらの対応が遅れてしまったような感じですね。
ーーただ直近の世界ランクもまた上がって20位になりましたよね。
数年前ほどのインタビューで、「日本はレベルが高いから、最低でも上位15位以内に入らないと」と仰っている記事を読んだんですが、今も目標は変わらずですか?
宇田:多分東京オリンピック前のインタビューだと思いますが、今も目標が15位以内というのは変わってないですね。20位っていうのは日本人では二番目の順位なのですが、シード権の兼ね合いもあったりするので、パリ五輪前には15位以内に入れるようにと思っています。
ただ、トップ20の中に入れるというのは一つの区切りというか。自分としては今までで一番高いランクになったので、そこは素直にうれしいかなと思います。
ーー目標まであと5つまで迫ってきたということですね。
そんな中、さらに自分を高めるために向かったのがドイツ・ブンデスリーガでした。
この1年間を振り返ってどうでしたか?
宇田:今回ドイツのプロリーグに初めて参戦して、僕の中では大きく環境を変えて挑戦した1年でした。沢山の新たな気づきはあったんですが、まだそれを自分の物に出来てない部分もあります。ただそこに気付けた、というのがやはりドイツに行った甲斐があったのかなと思います。
ーー興味深いですね。なにか気づきの具体的なものを一つ聞いてもいいでしょうか?
宇田:例えば、ドイツのプロ選手やブンデスリーガに出ている選手は比較的ベテランの人が多いんです。そういう人たちから試合の進め方を勉強することが多かったですね。ある種の老獪さというか。日本で戦う相手は若い選手が多いので、また違った気付きがあったと思います。
ーーちょっと質問がかぶってしまうかもしれませんが、Tリーグとブンデスリーガ、一番違うと感じるのはどんなところですか?
宇田:なんだろな… やっぱり僕自身が外国人プレイヤーになったというのが大きかったですね。お客さんとかは特に、良いプレーをしたらすごく盛り上がるし、ダメなプレーをすると静まり返ってしまうんです。
日本だとダメなプレーをしても、フォローの声援や暖かく見守ってくれるようなスタンスを感じるんですが、ドイツはそこの厳しさがありました。
プロ選手として、「自分で立て直して持ちこたえる力」を鍛えられたような気がしますね。
ーーお客さんのリアクションが良くも悪くも強いのは海外の特徴ですよね。
卓球環境としてのドイツはどうでしたか?
宇田:僕自身はチームとは別にデュッセルドルフを拠点として練習をしていたので、環境としてはすごくよかったですね。デュッセルドルフはドイツのナショナルチームの選手や海外の強い選手が集まりますから、質の高い練習ができて充実していると感じました。
練習施設の中に宿泊出来る設備が入っていて、そこに住んでいたんです。チームの選手もそこで練習したりしてるので、試合が終わったらチームメイトに車で送ってもらったりって感じでしたね。
ーー食事とかはどうでしたか?アスリートの人だと苦労するような印象もありますが。
宇田:合わないものは合わないですね(笑)。でも僕自身中1からJOCアカデミーにいて、年間何大会も海外で試合することがあったので、ある程度「海外はこういうもの」というイメージが出来てますし、そこまでびっくりすることもなかったです。
デュッセルドルフにも近くに日本食のお店があったりしましたし、栄養もしっかり取れてました。
ーー充実した1年だったんですね。
以前森園選手も来られてたんですが、森園選手とは大学の先輩後輩の関係でもありますよね。森園選手とは代表の中でも関わることは多かったりするんでしょうか?
宇田:そうですね、合宿とかでもよくしゃべりますし、気にかけてもらってるなという感じはあります。昔から関わりはあったので、すごく馴染みやすい先輩ですね。
全日本選手権のときには、ボブソンと契約させてもらいましたって報告はさせてもらいました。
ーーボブソンはデニムメーカーでもあるので、せっかくなのでファッションについての質問もさせてください。
今日お越し頂いたときに「お洒落だな〜」と思ったんですが、ファッションコーデを投稿しているインスタアカウントもやられてますよね。
服とかコーディネートを考えるのはお好きなんですか?
写真は来社時に着てこられた私服。綺麗目なアイテムにオーバーサイズのミリタリーコートを羽織ったコーディネート。小物使いもお洒落です。。。
ーーなにかファッションに興味を持つキッカケがあったりしたんでしょうか?
宇田:僕自身ファッションは高校生の時から好きだったんですけど、いざ自分で買いに行くと合わせ方やどう着たりすればいいのかが分からなかったんです。
ある時、すごくお洒落な人と買い物に行かせてもらったとき、「こうやって着るんだよ」と色々教えてもらったんです。そこからより好きになりましたね。
ーー分かります。ファッションを好きになるときってそういう人の影響だったりしますよね。
宇田:まるで店員さんのように色んな服を勧めて着させてくれて(笑)。本当にそこからちょっとずつ自分の好きな系統やジャンルだったりが分かってきて。買わなくてもウインドウショッピングにもよく行きますし、楽しいですね。
ーーデニムもよく見られたりしますか?
宇田:元々スラックスとか綺麗目な服が好きだったんですけど、去年の夏ぐらいに初めて自分でデニムを買ってみたんです。それがすごく良くて、そこからはデニムを合わせるスタイルの方が多くなりましたね。履いていくと段々自分の身体に馴染んでくるのも魅力ですよね。
ーーおお、しっかりデニムを楽しまれてるんですね。
全然まだ分からないですけど、宇田さんとボブソンで新企画、とかになったりしたら面白いですね!
宇田:ホントですか?(笑) でも本当にデニムを好きになって履くようになったタイミングで、その会社にスポンサー契約頂けて嬉しかったですね。好きなジャンルであるファッションに関わる方々に応援してもらえるというのはまた違った喜びもありました。
ーー最後にパリ五輪に向けて、今の気持ちをお願いします。
宇田:やっぱり想いは強いですね。もちろん国内選考で勝たないとっていうのはあるんですが、やっぱり僕自身が目指しているのは世界で勝てる選手になりたいというのがあって。海外選手と戦うために、ブンデスリーガに参戦して着実に経験を積んでいこうと思っています。まずは世界ランキングを15位以内にして、良い形でパリ五輪に出場したいです。
ーー今日はありがとうございました!これからもよろしくお願いいたします!
(インタビュー後記)
来社されたときは温和で優しそうな印象の宇田選手でしたが、卓球の話になると純粋に強さを求めるストイックでハングリーな気迫を感じました。
一方で、ファッションについて楽しく話している姿はひとりのお洒落好きな青年。
そのギャップでよりファンになってしまう1日でした。
パリ五輪での活躍を応援しています。
皆さんも是非一緒に声援を送ってください。宜しくお願い致します!